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日々のどうでもいい事をどうでもいい感じに綴っている日記。 最近妄想が大暴走。 よかったらコメントしていってください。
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「おはようございまーす」
新八がいつもの様に万事屋に来ると、そこはいつもの様に荒れていた。
「全く、あんたらまた散らかして。何時お客さんが来るかわからないんですから、ちゃんと片付けとけって言ってるでしょう」
溜息を漏らしながら、片付けはじめる。
ジャンプに新聞、使い終わった食器と、次々片付けていた手がふと止まった。
「何ですか?これ。うちにこんなのありましたっけ?」



「あー、昨日もらった」
社長席でだらだらしていた銀時が答えた。
「なんか若返る酒とか言ってたな」
「何ですかそのわかりやすいパチもん」
「タダ酒だからもらっただけだし」
「あんたねぇ……」
銀時の動機に呆れて返す言葉が見付からない。
その時、
「まじアルか?ホントに若返るアルか?いつまでも美しくいたい乙女には嬉しいものアル!」
"若返る"という単語を聞いて、神楽が飛びついて来た。
「ガキのお前が飲んでどうすんだよ。これは大人が飲むもんだ」
そう言って銀時が酒瓶を奪う。
「いつまでもガキ扱いするんじゃないネ。この私の魅力がわかんないなんて、おまえたちの方がまだまだガキネ」
神楽が取り返す。
「そういうのはせめて生理が来てから言いなさい」
再び銀時が奪った。
ギャーギャー騒いで、酒瓶を取り合う。
「おめーらいい加減にしろッ!どっちもガキだ!」
「あでっ!」
呆れた新八が二人の頭を同時に叩く。
「ダメガネのくせに生意気ネ」
頭頂部を押さえながら、新八を恨みがましく見る。口喧嘩の始まりだ。
「試しに飲んでみるか」
突然響いたその声に、二人の声がピタリと静かになる。
見ると、銀時は酒瓶を目の前で揺らしていた。
「飲むなら私が飲むネ」
神楽が身を乗り出す。
「だーかーらー、ガキのお前が飲んでも意味ねぇんだって。だいたい、本当に効果があるかだってわかんねぇんだ。ここは一番大人の銀さんが飲むべきだ」
ウンウンと勝手に一人で頷く。
「どうせパチもんですよ」
この万事屋の中で唯一まともと自負する新八が冷静に言った。
「んなこたぁわかってるよ。だから試してみるんだろ」
「わかってて飲む気ですか。あんた単に昼間っから酒飲みたいだけでしょう。依頼が来たらどうするんですか」
「来ねぇよ」
新八の尤もな意見に、当たり前の様にさらりと言う。
「昨日も来なかったんだ。今日も来ねぇ」
「どんな理屈!?やる気あるのかコノヤロー!」
「ダメガネはうるさいネ」
銀時と神楽にやる気を求める事が、そもそもの間違いである。
面倒臭いと、新八を無視して酒を開けてグラスに注ぐ。
それは透明の液体。
「別に普通だな」
そう呟くと一気に飲み干した。
「うめぇ」
新八が素早く酒瓶を奪って栓をする。
「で?効果はどうです」
完全に呆れているのか、吐き捨てるように言った。
「特に変わんねぇな」
「でしょうね。さあ、あとは夜にしてください」
さっさと酒瓶をしまいに行ってしまう。
「母ちゃんかおめーは」
「冗談が通じないヤツは一生彼女なんかできないアル」
内心ムカムカするが、あの二人をまともに相手にするだけ無駄だと自らに言い聞かせる。
酒の代わりに茶を三人分入れて盆にのせる。
これでいつも通りだ。

部屋に戻ると神楽が銀時の顔や髪を引っ張ったり叩いたりしていた。
「ホントにどこも変わってないアルか?髪が黒くなったりしないアルか?やっぱり白髪染めじゃないとだめアルか?」
「髪は生れつきだ!」
十は軽く離れているだろう二人が同じレベルで話せるのだから不思議だ。
同時に、平和だなと、年寄りくさいことを思ってしまう。
おもむろに銀時が立ち上がる。
厠か何かだろう。
その時、銀時がフラついた。
「う……ッ」
そのまま倒れるようにしゃがみ込む。
「銀ちゃん!?」
「銀さん!?」
慌てて盆を置き、駆け寄る。
「ちょ、大丈夫ですか!?」
胸を押さえてうずくまる銀時の顔色は悪く、呼吸は荒い。明らかに二日酔いとも違っていた。
「ハァ…ハッ……」



神楽が銀時にしがみつく。
「銀ちゃん、死んじゃやだよ~」
そんな神楽の言葉に突っ込むことも出来なかった。
「まさかさっきの……ッ!」
他に思い当たる節がなかった。
「み、水!とにかく水を飲んで出しちゃいましょう!」
水を取りに行こうと立ち上がろうとして、違和感を覚えた。
あれ?何か……
違和感を感じたまま、水を取りに行く。
戻って来た新八は、水を片手にたっぷり十秒固まった。
もう苦しそうな呼吸もしていない。
しかし、明らかに変化していた。
「神楽ちゃん神楽ちゃん、ソレ………何?」
ゆっくりと神楽に確認をとる。
「何って銀ちゃんに決まってって………何アルかぁぁぁぁッ!ていうか誰アルかぁぁぁぁぁッ!」
神楽がしがみついていたものから飛び退さる。
そんな中、ソレは言った。
「誰って、皆の銀さんだよって……あれ?」
なんか声が―――高い。
―――高い?
それに服が絡み付いて動きづらい。
―――動きづらい?
恐る恐る自分の手を見て絶句した。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁッ!!」

要はちっさくなっていたのだ。
背丈は、せいぜい神楽の胸辺りまでしかない。
とりあえずダメガネと神楽に爆笑された。
「銀さんにもこんな時期があったんですねぇ」
とダメガネ。
「私、弟欲しかったアル!」
と神楽。
「てめーら、好き勝手言ってんじゃねぇッ!」
両手を上げて怒るが、いかんせん小さい。迫力に欠けるのだ。
しかも着ていた服もぶかぶかで、左手は完全にお化け状態である。



「と、とりあえず服、なんとかした方がいいですね。銀さん、昔の服とかってありますか?」
笑いを必死で堪えているのか、声が震えている。
なんか釈然としない。
「あるわけねーだろ」
このサイズが一体どれだけ前なのか考えろ。
「下着は褌でいいとして、他をどうしよう……」
「トランクスがいい!」という銀時の言葉は無視。勝手に褌になりそうな布を探し始める。
元々好き勝手やる嫌いがある二人だが、銀時が小さいせいか、いつもよりそれが酷い。
「私の着るアルか?普段のオッサン銀ちゃんは嫌だけど、今の銀ちゃんならいいアル」
「ふざけんなー!」
女物の、しかも神楽の服なんて着たくない。
だってもう、親子みたいなものなのだ。嫌である。
しかもオッサンって……
小さいナリでも傷付く。
「ああ、確かに。裾とか折ればなんとかなりそうだしね」
メガネはメガネでその気になる。銀時の言葉は相変わらず完全無視。
「褌は我慢するから、それだけは勘弁してください……ッ!」
銀時の悲痛な叫びが響いた。
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